電動ろくろを初めて触る日は、たいてい「思っていたのと全然違う」という顔をして帰ります。テレビで見るような、すっと形が立ち上がる感じは、最初の一回ではまずありません。それでいいと思っています。最初の一回で学ぶのは、形のつくり方ではなく、土の重さと回転の感覚です。

芯出しが、すべての前提になる

ろくろの最初の工程は「芯出し」です。回転する台の中心に土を固定する作業で、これがずれたまま進むと、どれだけ丁寧に形を整えても器は歪みます。芯出しには、両手で土を包むように押さえながら、回転に逆らわず力を加える感覚が必要です。最初はこの感覚がつかめず、土が左右に暴れます。それが普通です。焦らず、土の動きを観察することから始めてください。

力を入れすぎると、土は逃げる

初心者が最もよくやるのは、力を入れすぎることです。土を押さえようとして両手に力を込めると、土は横に広がって薄くなり、やがて崩れます。ろくろは、力で形をつくる道具ではありません。回転のエネルギーを借りて、手を添えるだけで形が変わります。「押す」より「支える」という感覚に切り替えると、急に土が素直になる瞬間があります。その瞬間を体験するために、最初の一回があります。

最初の一個は、形より記録

最初のレッスンで挽いた器は、形が整っていなくても焼いて持ち帰ることができます。Frostcove Lineでは、一日体験コースで成形した作品を素焼きと本焼きを経て、約3〜4週間後にお渡ししています。歪んでいても、底が厚くても、それが最初の一個の証拠です。使ってみると、手に馴染む感覚があります。毎日使っているうちに、次はどこを直したいかが自然にわかってきます。

続けるかどうかは、一回目の感触で決まる

体験後に「また来たい」と思う方の多くは、うまくできた方ではなく、土の感触が面白かった方です。形がうまくいかなくても、土が手の中で動く感覚、回転が止まったときの静けさ、そういう細かいことが気になり始めたら、続ける素地があります。月2回コースから始めると、2〜3ヶ月で芯出しが安定してきます。焦らず、一個ずつ積み上げていくのが、一番の近道です。

電動ろくろは、最初の一回で「できる」ものではありません。でも、最初の一回でしか体験できない感覚があります。まず触れてみてください。